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2010年10月24日

Arnold Renderer for Softimage

期待のグローバルイルミネーションレイトレーサーレンダラー「Arnold」のプレゼンです。
Arnoldの特長やSoftimage用のプラグインSItoAの解説を開発者のMarcosさんが行っています。

ARNOLD at "Softimage|UeberTage 2010"

少し聞き取り辛かったので、分からないところはとばしてメモしています。
あくまでプレゼンを要約した内容ですので、参考程度にお読みください。 

以下、プレゼンの概要です。

Arnoldの開発を行っているSolid Angle社のMarcosさんがプレゼン。

Arnoldは純粋なレイトレーサーです。映画制作向けです。
スタンドアロンライブラリなので色んなOSで動作します。
一人で作ってたけど、Sony Picutre Imagesworksの協力で開発人員やマーケティング等の状況がここ5年で大きく変わった。

シングルパスで一発レンダリングが速くて影とかの整合性が優れている。
レイヤにたくさん分けてレンダリングする従来方法とは違うアプローチが取れる。
ライティング情報やGI(シャドウマップ・ポイントクラウド)などの事前キャッシュを必要としない。

これまでのプロダクションはレンダーする前のキャッシュ段階で24時間かかって、それから本番レンダーとかのケースもあった。それよりも、即座にインタラクティブにレンダー出来る方がアドバンテージがある。

モーションブラーがハイクオリティ(トランスフォーメーションとディフォーメーション)
変形しているとレイトレーシング表現との共存は挑戦的?
カスタムシェーダも作れる
重いジオメトリやヘアの処理も優れている
レンダータイムにプロキシーでジオメトリ差し替えももちろんできる
テクスチャがたくさんあっても処理に優れている

SItoAは、Arnold用のSoftimageプラグインです。
一年半前くらい前にスペインのアニメ会社の人が作ってくれた。
で、このプラグイン書いた人を雇った。
タイトなインテグレーション、Softimage内部のICEやRenderTreeなどちゃんと動くよう開発している。一部プロダクションですでに使われているが、まだ鋭意開発中。

SItoAはオープンソースです。
優秀なSoftimageベータテスターの人達も協力して直してくれています。

すでにプロダクションで使っている人たちです。アメリカ、カナダ、スペイン、ドイツなどにコマーシャルユーザがいます。

13:44から事例映像がながれます。


Miles and More - Guided Tour (Lufthansa Version) from FIFTYEIGHT 3D on Vimeo.

カードがいっぱいでなんだか凄いことになってます。
会場からも拍手が。

作った人も会場に来てました。
ICE、ジオメトリインスタンスを使ってます。

こんな感じでプラグインもプロダクションで使われています。

ここからArnoldの歴史紹介。

1992: John Kars (Blue Sky Studios)を見て衝撃をうけて、レンダラーを開発しようと思った。
1999: Pepe
2001: Fifty Percent Grey
2006: モンスターハウス
2009: 晴れときどきミートボール
2009: 2012
2010: Alice in Wonderland

晴れときどきミートボールでは、街並みのレンダリングでジオメトリインスタンスを使用。
樹木やLシステムでもジオメトリインスタンスは力を発揮。
GI、ソフトシャドウ、モーションブラーを併用してもArnoldは優れた処理で扱える。
さらにヘアを足してもArnoldはちゃんとメモリ管理が良いのでレンダリング出来る。


前に見たことがあったこちらを紹介。

3年前のサンプルです。100万ポリゴン、エリアライト、2バウンス、GI、リフレクションで領域レンダーしてサクサク動いています。

別のキャラクタのレンダリング例の説明。
このキャラは普通にレンダーして14秒です。
ディフォーメーションモーションブラーを有効にしても16秒なのでArnoldはブラーのレンダリングが速いのが分かります。
DOFを足したり、オブジェクトが大量にあってもメモリ管理ちゃんとしています。

ヘア

猫のヘアでレイトレイスでセルフシャドウがリアルです。
ディフォーメーションブラーも有効にするとさらにリアル。

時間がなくなったのかまとめは触れませんでしたが。
使ってみると従来のレンダリングパイプラインが大きく変わるものだ。
まだまだ改良できるエリアがある。とのことです。

Q&Aより(一部)
RenderMapにはまだ対応していません。
レンダラーの値段はまだ公には公表していません。
ライトのボリュームレンダリングは対応しているが、炎や煙用のボリュームシェーダは今のところ搭載されていません。

後半戦はデモ紹介です。

Softimage to ARNOLD plugin (SItoA) at "Softimage|UeberTage 2010" (Part II)

重たいメッシュのMentalRayとの比較レンダリングや700万ポリゴン x 300体?をレンダーしているのは驚異的です。
全般を通してレンダリングスピードが速いのがわかります。
インタラクティブに変更がレンダリングに反映されるのもデモを通じでよくわかります。